ダニエル・オスト展に行って来ました!
ベルギーのデザイナー、ダニエル・オスト展が倉敷の大原家本邸で開催されていたので、行って参りました!
まずは旅館くらしきの限定ランチに感動し、お昼頃有隣荘の入口に到着しましたが、4日間だけの開催ということもあり、長い行列が出来ていました…
まず入って驚いたのは、テーブルデコレーションとして作られた、1メートル以上ありそうな大きな珊瑚水木(サンゴミズキ)のオブジェです。
括り付けられたチューブには、珊瑚水木と色目の良く合った、ラナンキュラスとスイートピーがアレンジされていました。
そして、暖炉の上に置かれていたのは、「ハランを何枚使ったのだろう?」とびっくりするような、カーブする葉の重なりを生かしたアレンジメントです。
覗き込んでも、どのように曲げて固定しているのかうかがい知ることが出来ませんでした…
そして左の写真のように黄金水木(オウゴンミズキ)を目いっぱい曲げたホルン状の、工芸品のような!作品に、緑のラナンキュラスだけがアレンジされている作品が、ガラス戸の奥に飾られています。
庭に出るとウンリュウ柳を編んだ1m近いカゴのオブジェに、濁色のスイートピーがアレンジされていて、庭の風情に溶け込んでいました。
そして、杉の木の皮を使って波を表現した作品の、波しぶきの泡の部分にアレンジされていたのは、珍しい黒と黄色の蘭の花です。
額にはサンゴミズキを曲げた輪が所狭しと埋まっていて、それだけで、大きな存在感を醸し出します。
廊下にも不思議な炎の形の2mに満たないの緑のオブジェが飾られていて、下に置かれていた茎のような棒を見て、ハランで作られているのが想像出来ました。
上の写真はキングプロテアが生けられていますが、その日は黄色い沢山の蘭のお花がアレンジされていました。
有隣荘の観賞が終わり、隣の本邸に移る時には雨が降り出してきたため、傘をさしながら庭を歩いて作品を鑑賞することになりました。
和室に置かれていたのは、2mはある円の土台がトクサで埋め尽くされ、中央に一輪お花が生けてある緑の作品と、珊瑚水木の色を生かした対照的な赤の円の作品です。
通路の塀の側に、珊瑚水木がウェーブ状にアレンジされ、蘭の花がアクセントに生けられていて、見逃しそうになります。
庭の中央には直径が1メートルはありそうな花瓶(鉢?)に、自然と同化するような枝と花のアレンジメントがどっしりと置かれています。
特に先生方が興味をひかれたのが、錦木(ニシキギ)で包まれたカゴの中に、赤いダリアとスプレーのマム(菊)がまるで花畑のように生けてあり、その籠が5つくらい庭の中に無造作に置かれている作品です。
敷地内のお蔵の中には、床一面に円状にアレンジされたトクサの花器が置かれ、その中央に蘭の花が生けられています。
圧巻だったのは軒先につるした竹のオブジェでした。日本の文化を取り入れた和風の作品が多く見られました。
珍しい濃い紫の蘭が溶け込むように生けられた作品や、マイクロサイズの蘭が三角に型どられた黄金水木の間から可愛い顔をだしていたり、独創的な作品ばかりです。
そして三日月の形をした、いぶし銀のような花器に苔と実が詰まっている、大変インパクトのある作品が最後の作品でした。
苔の様子や実の在り様が、地球を遠くから眺めたらこう見えるのかもしれない…という不思議な光景でした…
フラワーアレンジメントの世界の中でも、工芸品を超えてアートの世界に入り込んだようなダニエル・オストの作品展でした。
スタッフ 神谷